フランス地方菓子紀行(1)東部編

1996年8月24日(土)<ナンシー〜ストラスブール>

我らお菓子探検隊にとって、ナンシーといえばマカロンMacaron(アーモンドプードル、砂糖、卵白で作った生地を丸く絞って焼いたお菓子)。パリのマカロンは卵白を泡立てて作るので、ぷっくりふくれていて、色もつけられているので見た目がかわいい。一方こちらは、卵白を泡立てないので、形はクッキーのようで平らだが、それが素朴でいい味を出している。朝一でJean-Marie GENOTによって創立された「Maison des Soeurs Macarons:メゾン・デ・スール・マカロン」へ。ナンシー・オリジナルと銘打ったマカロンMacarons de Soeursは、12個で33FF。わら半紙のようなシートにマカロンが12個並んで焼き上がっていて、頼むとそれを紙ごと半分に折って箱に入れてくれる。焼き立てがおいしそう。思わず手が出る。2人で1箱購入。それとプラリネをメレンゲで包んだ薄いブルーのフロランティーヌも買う。店内には修道女のステンドグラスや絵はがきが置いてある。もう1つの名物はベルガモット・ド・ナンシーBergamotes de Nancyというベルガモットのキャンディー。これはべっこう飴のようなもの。

市内観光は、華麗な金色の鉄の門をくぐって、スタニスラス広場から。広場の北側には凱旋門があり、その先はカリエール広場(Pl.Carriere)。旧市街の古い街並みがカラッフェ門(Porte de la Craffe)まで続く。この道沿いにもお菓子屋が並んでいる。クグロフ、フルーツのタルト、ソーセージが1本ポロンとのったクスクス等がある。ここで向かい同士の店のミラベルのタルトTarte Mirabelle(16FF)を食べ比べ、キッシュ・ロレーヌQuiche Lorraine(18FF)を買う。広場の近くの「バカラ」は昼休みに入ってしまいクローズ。やむなくスーパー「Prisnic」で箸休め(?)ポテトチップやスナックを買い求め、広場のカフェへ。軽くサラダをとり、先程のタルトをこっそり食べる。ソーセージとフライドポテトを食べているF氏から、フランスパンを分けて貰う。

  

午前中がロココなら、午後はアール・ヌーボー。エミール・ガレらを中心とした芸術家グループ、ナンシー派の作品を集めたナンシー派美術館(Musee de l'Ecole de Nancy:15FF)へ。19〜20世紀初頭のアール・ヌーボー芸術の 粋を集めた展示で、植物や昆虫をモチーフとした花瓶や、きのこ型のランプや、チューリップが絡み合ったような細工の家具が並ぶ。青いラインの入口、木の床、整備された小ぎれいな庭、いわゆる美術館とは一味違った独特の雰囲気を持っている。

夕刻、ナンシーからバスでアルザス地方のストラスブールStrasbourgに向かう。ストラスブールは、ライン川の支流に位置し、EU(EC)諸国統合の本会議場、欧州議会(Palais de l'Europe)があることで知られている。歴史的にみるとこの町は幾度かドイツ領シュトラスブルクだった。なので、急勾配の屋根と木組みの建物、重厚なカテドラル、ザワークラフトの上にソーセージがのったシュークルート、ビール等、ドイツ的なものが幅をきかせている。バスで10分も行けばドイツとの国境。ホテルには早目の到着だったので、ダウンしてしまったM嬢を部屋において、夕食までホテルのプールでひと泳ぎ。

夕食は路線バスに乗って(7FF)、シュークルートChoucrouteのお店に。出てきたのは、大きな銀のトレーに山盛りの塩漬けキャベツと、その上にソーセージやら厚切りベーコンやらがどっさりのったもの。茹でたじゃがいももついている。飲み物はとりあえずのビールとアルザス・ワイン。雰囲気はほとんどドイツの居酒屋。キャベツだから平気かなあとか言いながら、思いっ切り食べて103FF。その後早くホテルに戻りたい組と飲み足りない組(コーヒーですけど)に別れる。私は後者で、近くのカフェでエスプレッソを飲み、消化を促進。夜も更け、いざ帰ろうとすると、バスはしばらく来ないもよう。あららタクシーもなかなか来ない。3台もつかまえなくてはいけないのに。最後の1台が特に大変で、ホテルで全員再会した時は抱き合って無事を喜び合うほど。